カイロプラクティック療法を中心とした(有)小林カイロ院
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カイロプラクティック療法
Kobayashi  Chiropractic Clinic
(有)小林カイロ院
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徒手医学、身体技術、健康理学、様々な角度から人間を研究する
小林昌彦BCSc.のコラムです。


COLUMN-13 About bornslip and down

Manualmedicine
レポート『椎間板ヘルニアの嘘!!』資料

骨はズレない!
  (c)2002 

                           やぎやま徒手医学研究所 小林昌彦 BCSc.


バキバキ!!
「はい!ズレが戻りました」
「本当ですか?」
・・・よくある整体の風景です。

カイロプラクティックをはじめ、古今東西の徒手医学に対する最大の誤解は「骨がズレる」という概念です。
ズレている骨をバキッと矯正するのがカイロプラクティックだ、というイメージが定着しているようです。実際、日本ではカイロ、整体に関する医学的な教育が なされていないため、カイロと看板をあげて開業している方でさえ、多くは骨はズレると信じ込んでいます。(コラム『カイロプラクティックは医 学です』参照)
が・・・
「骨がズレてます」は大嘘です!
医学的な根拠はありません。
また、椎間板ヘルニアに関しても、今日世界的には「医学的根拠なし」と烙印が押されています。(→レポート『椎間板ヘルニアの嘘!!』参照)
ここでは「骨のズレを検証していきましょう。

◎カイロプラクティックと骨のズレ
1895年9月、カイロプラクティックは背骨の矯正からスタートしました。
当初は「骨の不整列をアジャストメント(矯正)して、自然治癒力を高める」というコンセプトが受け入れられたかもしれません。しかし、それはレントゲン診 断のスタートから遡ること10年前のお話なのです。(レントゲン発明=1905年)
仮説は仮説です・・・そして今も仮説のままです!(コラム「自然治癒力」参照)
その後、数十年にわたる度重なる科学的な研究からも、「骨がずれる」ということは今日まで解明されておりません。換言すれば「骨のズレと痛み(症状)の関 連性が発見されない」ということなのです。
それをバキバキとやってズレが戻っている錯覚に陥っていますが、バキバキと骨とは全く関係ありませんよ。(→コラム「バキバキって何の音?」参照)
人間は骨組みで立っているわけではありません。身体を支えているのは、実際は筋肉です。
よく「骨盤のズレが原因で・・・」という話を耳にしますが、「では何で骨盤がずれて痛いの?」という素朴な疑問に対して医学的に明確な回答はありません。
「姿勢が悪いから骨盤がズレるんだよ」
これもよく聞く、強引な論理ですが、結論から言いますと
『姿勢が悪いのは結果です!原因ではありません!』(→レポート『姿勢とストレス』参照)
ちまたで姿勢矯正と称したものが横行していますが、
「どうして痛いんですか?」
「骨がズレてるんです。」
「どうして骨がズレるんですか?」
「姿勢が悪いんです。」
「どうして姿勢が悪くなるんですか?」
「骨がズレているんです。」
「どうして骨がズレるんですか?」
「姿勢が悪いからです。」
・・・
漫才のようですが、よく聞く話です。
 結局は骨盤のズレも原因ではなく結果に過ぎないのです。
カイロプラクティックも発端はズレの矯正であったのですが、百余年の歳月を経て医学としての成長を遂げました。
今日では欧米で医学としてカイロプラクティックの大学教育が当たり前の時代となっております。
いつまでも100年前の医学を信仰していてはいけません。
もう一度、言います。
骨はズレません!

◎「ズレてます」の誤解の広がり〜無法地帯の日本カイロプラクティック業界
日本国内にはカイロプラクティックに関する資格制度がなく、法律的に医学として確立していません。
つまり誰が看板をあげて開業しても違法ではないのです。
結果、バキバキする技術(あるいは数百種類あるカイロ技術のなかのほんの一部)のみを講習で修得したといって、カイロプラクティックだと開業している方が ほとんどなのです。(全国のカイロ院の99%)
技術だけ修得しても、医学的な診断が出来なくては治療にはなりません。(コラム『カイロプラクティックは医 学です』参照)
例え話ですが『注射の打ち方が日本一うまい医者』がいたとします。あなたはその人に病気を診てもらおうと思いますか?
注射の中身は何なの・・・?
怖いです よね。注射の打ち方は単なる医療技術のひとつだということが分かると思います。
医学教育を受けていないカイロプラクターの拠り所が「自然治癒力(→コラム「自然治癒力」参照)」と「骨のズレ」なのです。
そんな日本の現状が「骨はズレる」という誤解を広めていると言っても過言ではありません。

◎骨のズレに関する一問一答
『でも先生、レントゲン見せてもらったらものすごい曲がってましたよ!』
答ーレントゲンってそんなに信用できます?
レントゲンは放射線を透過させるというシステムのため、腫瘍や骨折を見るものであって、そもそも骨や関節の形を見るのには適していません。(コラム「レントゲンの落とし穴」参照)
また、仮に全体に歪んで見えたとしても、それは左右の筋肉の突っ張り具合に差がある、例えば身体を横に曲げた状態で固まったような状態なだけです。
単に曲がって写っただけで、骨がズレているわけではありません。

『でも先生、ここの背骨を触ったらボコッと左にズレとるよ!ほらここ!』
答ー本当に触ってます?背骨に・・・?
背中に触れる背骨のポコポコしたところを棘突起と言いますが、触ってみると配列の中で一個だけ左右どちらかにボコッとズレているように触れる・・・よくあ ります。
静的触診といって背骨の配列を並べてチェックすると「おっ!ここが左にズレてる!」と発見して得意になるわけですが・・・
じゃあ、改めて聞いてみよう。
「触れていると思っている背骨(棘突起の先端)から、実際に指が触れている皮膚の表面までどれぐらいの距離があると思いますか?」
感覚的に一般の方、あるいはカイロ、整体と看板をあげて開業している人でさえ
『そんなんこれくらい(指で1ミリ〜1センチくらい示す)やないっすか?』
って答えるわけだ。うん、感覚的にはそんなもんだ・・・気持ちは分かる。
解剖したことがある医学関係者ならみんな分かることだが、背骨の先端から皮膚の表面までは数センチ〜十数センチに及ぶ。
つまり、ティッシュの箱の向こう側ほど遠い場所を触っているにも関わらず、皮膚をめくると「すぐ下にある」ように錯覚しているわけだ。
残念ながら、1ミリ程度だと錯覚して判断しているものが、実は10センチほど離れていたら正確だとは言えない。
また棘突起だと思って触っているものの周囲は、決して均等とはいえない軟部組織によって取り巻かれている。
もう一つダメ押しのようだが、棘突起は正常な人でも変形が非常に多く、多少左右に位置しているように見えても、それが正常な位置である可能性が高い。
背骨の関節がズレているわけではないだろう。


(→レポート『椎間板ヘルニアの嘘!!』参照)




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